家屋を耐震補強しても、コンクリート基礎が強度を支えきれなければ倒壊する恐れがあります。
東日本大震災や熊本地震以降、新たな震災が予測されている今日、震災予防補強工事や先の震災で受けた震災補強工事等、防災力を高める住宅の減災が急務と言われています。
木造家屋のコンクリート基礎は、地震により家屋上部に生じたエネルギーを壁から土台基礎を通じて、地面に逃がすことで、木造家屋全体を地震から守る需要な役割を持っています。
東日本大震災や阪神淡路大震災では、家屋の上部構造の耐震補強が施されていても基礎がその強度を支えきれず、破壊や割れが発生し、被害が大きくなった事例が多くみられます。
これらの事から、家屋の補修、耐震補強工事を施す前に、まず最優先に健全で耐力のある基礎にすることが上部構造の強度を効果的に生かし、大切な家屋と人命を守る大きなポイントになります。
使用するパワーアラストは、少しでも地震災害を減らすことを目的として、住宅基礎に特化し、地震対策に使用する耐震補強材として開発された商品です。
パワーアラストは、無筋住宅基礎やひび割れ・亀裂など、劣化弱体化した住宅基礎への耐震補強で使用されています。パワーアラストで地震対策を施した東日本大震災地域の住宅は大きな損傷もなく、耐震補強剤として効果を発揮したと評価を受けました。
パワーアラストを塗布すると、欠陥のない健全な新築時と同等なコンクリートの状態に回復させるか、これを上回る補強効果が得られます。
右の写真は、基礎の出隅部の試験体に地震に見立てた力を繰り返し載荷試験を行った結果になります。
この試験では、アンカーボルト付近に基礎内部の破壊が認められるものの、パワーアラストの粘り強い塗膜面は、基礎表面がひび割れも起こさずコンクリート基礎の崩壊を防いでいます。
また、「アラミド繊維貼り工法」を施したアラミド繊維シートを貼り付けた塗膜は、コンクリートの57倍という強固さをもって、コンクリートを長期に渡り補強することができます。
- アラミド繊維とは
- 鉄の7倍の引張強度を持ち、高強力、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性などの特性を持つ高機能繊維です。特に、強度、防弾、防刃性などに優れ、防弾チョッキ、消防服、自動車のブレーキパッドなどの摩擦材、タイヤの補強材、光ファイバーの補強材、橋脚の耐震補強など主に使われています。
アラミド繊維貼り工法の施工手順
ワイヤーブラシで泥、ホコリを取り除きます。
ひび割れをパワーアラストFLで補修します。
パワーアラストを塗布します。
標準は1回ですが、状況に応じて塗り重ねします。
カットしたアラミド繊維シートを貼り付けます。
シート中の気泡を脱泡ローラーで追い出します。
アラミド繊維シートの上にさらにパワーアラストを上塗りします。
さらに強度が増した基礎が完成しました。